進捗状況報告


[学問分野]
マイクロナノ領域の機械科学を探求し,その成果をマイクロナノメカトロニクス技術として融合し,応用技術として高度情報社会の社会基盤となるシステム化技術を開発することにより,ナノテクノロジーを実用化する技術を体系化する.

[目的]
21世紀には,産業構造・社会構造に大きな変革をもたらす基盤技術として,ナノテクノロジーの発展が期待されている.これに応えるために,1) 基礎研究としてナノ機械科学(機械分野におけるナノ理工学)を推進し,2) 機械基盤技術としてナノ領域の加工・制御・計測・運動技術を融合して,体系的なマイクロナノメカトロニクスを構築し,3) さらに高度情報社会においてインフラストラクチャとなる三つのシステム(情報機械・情報知能化ロボット・生命情報医療)を提供できる研究拠点を形成する.

[計画:当初目的に対する進捗状況等]
当初目的は,ほぼ計画通りに進展している.管理運営にあたる月例の運営委員会(7名)を設置し,関連専攻のすべての教員が関わる一般担当者拡大会議までを階層とする組織を構築した.また,事業推進者間の目的意識・研究進捗状況の共有化が進み,本拠点の特色である研究段階と専門分野を2軸とする2次元マトリックス研究組織が順調に稼動し始めた.ポスドクの採用(4名),大型設備の設置などにより,充実した研究体制が構築できた.博士学生のCOE研究員の雇用(57名),若手プロジェクトの推進(20件)など若手研究者の育成のために,研究費のほぼ半分をこれに充当した.また,COEシンポジウムの開催(7回),COE社会連携セミナーの開催(10回)など,産学連携の強化を含む情報発信基地としての施策を実施した.

[特色]
21世紀の共通基盤技術であるナノテクノロジーを,機械工学の関連する分野において「実用に耐える技術として仕立てあげる」ための研究と教育を,基礎科学から応用技術まで含めて一貫して実施する点に,本拠点の特色がある.このために,研究の発展段階に応じた三階層別と,システム化技術に対応した三つの分野別の二次元マトリクス組織を採用して,目的意識の高い一体的な組織を構築し,専門分野と発展段階が融合した組織的な研究活動を展開している.

[重要性・発展性]
ナノテクノロジーを実用に供するためには,本拠点の目的であるマイクロナノ領域におけるシステム化(物作り)技術を確立することは必須であり,本拠点の重要性はまさにこの点にある.本拠点は,世界に先駆けて設立した('94年)マイクロシステム工学専攻が中核となっており,先導的な研究実績と卓越した人材により,世界をリードし,拠点としての高い存在感を維持してきた.また,競争的外部資金の獲得額は,多大である(本期間に重複する総額:23億円).このような豊富な研究実績と研究資金により,世界最高水準の研究拠点を継続して維持することが可能な状況にある.

[終了後の成果]
1) ナノ領域における基礎科学からシステム化技術までの一貫した研究教育を特色とするマイクロナノメカトロニクスの研究拠点を形成できる.2) 二次元マトリックス構造の組織運営によって,目的意識をもち社会的責任を自覚して,研究と教育に従事できる.また,システム化技術を経験することによって,異分野との連携を深め,産官学の連携強化により,産業界で即戦力となる人材を供給できる.3) ナノ領域における相対運動を安定かつ高信頼に実現できる技術により,ナノテクノロジーを実用技術として発展させることに貢献できる.

[学術的・社会的意義など]
マイクロナノメカトロニクスに関する基礎科学分野から応用技術までを一貫して研究教育を行うことにより,学問分野として体系化することができる.また,情報機械・情報知能化ロボット・生命情報医療の三つのシステムは,ナノナノテクノロジーと密接に関連し,その研究成果を最も有効に活用できる技術分野である.これらのシステム化技術は,高度情報社会のインフラストラクチャと位置付けられ,新産業を興隆させ,新雇用を創出するとともに,少子高齢化が急速に進展する人間社会に,より快適な生活環境を提供することが期待できる.




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